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2004.03.08

江國香織「東京タワー」を読む

2人の大学生、透と耕二が、それぞれ、
既婚の年上女性、詩史と喜美子に、
恋に落ちる恋愛小説。そう、
fall in loveという表現がぴったりだ。
主人公の透は母の友達・詩史さんとの
わずかな逢瀬に幸せを感じるし、彼女が
夫の元へ帰っていく時はあまりに淋しい。
”年上の女は無邪気だ”と言い切る耕二は
家事は完璧にこなすよき妻の喜美子さんと
情熱的なつきあいをする。だが、2人、
透と耕二とも、恋の相手のそれぞれの夫に
かなわなくて、なんというか、圧倒的な存在感に、
彼女たちを奪うこともできず、また、彼女たちからも
全く人生のパートナーとしての扱いがされない
その姿が哀しい。その向こうに見える夜の東京タワー。
どんどんと夜の深みに沈んでいくようだ。
この恋の行方は?耕二はささいなことで喜美子さんを
失い、同年代の女の子・由利ちゃんをも失ってしまう。
透は一緒に暮らせないならば、一緒に生きていきたいと
詩史さんのお店で働くことを決意。母親から家を追い出されて。
あまりに淡々とせつない、陰気なストーリーでした。
ふと思い浮かんだのは、村上春樹「ノルウェイの森」を
読み終わった時と同じような気分だな、ってこと。
2人の大学生、ワタナベと永沢が出てきてたっけ。
そうあの匂いがしたような、そんな小説でした、マル

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