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2004.03.09

三浦綾子「積木の箱」を読む

三浦綾子さんらしい作品であった。
罪を犯した人を許そう、とする気持ちとか、
「泥流地帯」の耕作先生みたいな、
心の通う先生像とか。うん。
主人公・一郎は裕福な家庭のお坊ちゃんである。
姉であると言われていた・奈美恵が、
実は父の2号さんだと知り、”不潔な親父だ”と
思う。そんな傷ついた一郎を慰めたのが久代おばちゃん、
とその息子・和夫であった。弟のようにかわいがる和夫、
実は父・豪一の血をひいているのに、愕然とし、
むしゃくしゃして、学校に放火してしまうのであった。
そんな一郎をなんとか素直に育って欲しい、と、
3度も許してやった悠二先生だが、その思いは通じず、
”自分の失火”の責任をとって、学校を去っていきます。
生徒たちが仰げば尊しを歌って、送り出すシーンには
泣けてきました。どうしてそこまで、という思いとともに。
和夫くんの無邪気な”天国へ行く地図”の話しも胸を突きます。
「威張らない国」「やさしい国」「人に物をあげることの好きな人の国」
そして、「お祈りをする国」を通れば、天国に行けるんだよ、って。
何か、忘れていたものがあるのではないか、ふと自分の胸に
問うてみたくなる、そんな作品でした。

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