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2004.08.21

江國香織「思いわずらうことなく愉しく生きよ」を読んだ

快活な三姉妹の恋愛・結婚が、きりりっと綴られた
物語。サブテーマに、夫の暴力。現代的なトピック。
長女・麻子は夫に暴力を受ける主婦。その実体を聞き、
憤慨する次女・治子、三女・育子に、”私が悪いの”と
自分を責めたり、”何でもないの”と否定したり、する
麻子がなんとも痛ましい。次女・治子は、結婚はしないけど
もうメロメロに愛し愛される熊木との同棲に充実の日々。
三女・育子は”愛ってなんだろう?”と疑問を持ちつつ、
出会った男性と肉体関係のみを重ねてみたりする日々。

その三姉妹の恋愛・結婚が、それぞれのあるきっかけを
元に変わっていく。麻子は、同様に夫に暴力を受ける
雪枝を見かけて、2人で家出をして、ホテルに行く。
そこに駆けつけた治子、育子。結束は強い。
それから、麻子は夫の暴力に対しておびえなくなり、
それがかえって夫を不安にさせる。家庭内冷戦。
治子はたった1回の他の男性とのセックスを密告され、
悪いのは私、何かいったら?と開き直る姿が、
かえって熊木を責めることになり、その愛を失う。
育子は隣家の憧れの主婦から、年下の息子を紹介され
つきあい始める。セックスを求めようとしない彼に
”まだその段階に達していない”と言われた。その段階を
きっちり踏んでいくという恋愛から、少しずつ愛を信じてく。

最後は麻子が自分に対して暴力をふるう。”自分を刺さ
ないと、夫を刺してしまいそうだった”から。

江國さんらしい、スタイリッシュ、かつ、活き活きとした
3人の女性の恋愛・結婚が描かれた、この作品、
読み終えた時の充足感は心地よかったです。

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